開かずの金庫を開ける鍵

三上延の「ビブリア古書堂の事件手帖 4」を読了した。著者は、ホラー系統のライトノベル出身の作家であるが、最近は、本シリーズ等、ミステリーも手掛けている。本シリーズは、北鎌倉にある古書店「ビブリア古書堂」の美人女主人篠川栞子が探偵役、従業員の五浦大輔がワトソン役の連作ミステリーである。本書はシリーズ初の長編で、栞子と栞子の母智恵子が、それぞれの持つ古書についての膨大な知識をフルに活かし、推理合戦を繰り広げる。
 ある日大輔が店番をしていると、古書堂に電話が掛って来る。電話の主は、長年失踪していた智恵子で、背景の音に気付いて大輔が店を出ると、そこに智恵子の姿