25、ヘンデルから見たハノーファー公国の王

三代目のプロイセン王女ゾフィー・ドロティア(1687年生)の同時代人としては、ともに1685年生まれの大バッハとヘンデルがおり、生地も近い。
 バッハはドイツを離れることはなかったが、ヘンデルはイタリアで音楽修行をして24歳の時、ヴェネツィアで発表したオペラ『アグリッピーナ』を、たまたま観劇したハノーファー公国大使とイングランド大使が、競ってヘンデルを自分の宮廷に招こうとした。
 高名な音楽家を抱えていることが、ステイタスシンボルであったから。
 半年後にヘンデルはハノーファー公国に来た。
 当時のドイツは「三十年戦争」で人口が激減、農村は壊滅的打撃を受