「プラットフォーム」 ミシェル・ウエルベック (著)、 中村 佳子(訳)

☆☆☆

「地図と領土」に続き、ウェルベックの「プラットフォーム」を読む。

これも、強烈な作品である。まず、主人公のタイでの買春から始まり、恋人とのセックスや、スワッピングなどが、露骨に描かれる。ポルノ小説顔負けの内容で、嫌な気分というか、後ろめたいというか、複雑な気分になる。

そして、「地図と領土」の時には、実在の製品や人物が頻繁に登場したが、「プラットフォーム」では、特定人種(イスラム教徒、日本人、中国人など)への悪口(偏見)が、あからさまに語られる。小説でのこととはいえ、言いたくても言えないことを、ここまで歯に衣着せずに書いてしまう作家は少ない