野口卓の『手蹟指南所「薫風堂」』。

★3.3 新シリーズ。

雁野直春は19歳で道場では代稽古を務め、儒学の私塾では塾頭である。

神田佐久間町の薪炭商の隠居・忠兵衛を辻斬りから救ったことが縁で、白山権現社ちかくの駒込片町で手習い所を引き継ぐことになった。

その直春が実は3千8百石の旗本・春田仁左衛門の次男と告げられる。商家の3女だった母・なおは奉公中に手が付き根岸で直春が生まれたという設定。

20歳の直春に春田から突然に千2百石の旗本・石川家(娘・美雪は15歳)への婿養子の話が・・。

歯の浮くような人物設定には目をつぶって、「軍鶏侍」でも得意の子供たちとの物語に期待しよう。

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