連載:宗教

棺を蓋いて事定まる

その人の棺桶の蓋をしめるときに、その人物の評価が定まるとの意だ。生きている内に軽々と人を評価するなという意味にも取れる。

ある知り合いの死に向き合って、その言葉が思い浮かんだ。詳細は述べないが、生前、人前でに語っていたことや行っていたことが、じつは私生活では正反対であることが遺族とのやりとりで明らかとなってしまった。その何とも言えない不快さ、疲労感は、いまだ心に残る。日本には、晩節を汚すという言葉もある。

ある書に、こんな言葉があった。
いちばん幸せな人とは何か、という問答だ。

紀元前6世紀ころ、栄華を極めていたリディア国の王、クロイソスは、アテネ