★3.3 新シリーズ2作目。
この作者は切絵図を忠実に再現するのが特徴で、読者にとっては非常に理解しやすい。
「思案橋」では、おつやが「江戸橋」「荒布橋」を渡って小網町の「思案橋」に至る。ここでのおつやの迷いが物語に味を添えるのであるが(表紙)。また今回は「一石橋」の袂の蕎麦屋が何度も登場した。
「忠義者」では秋田犬のしろが探索の重要な役どころ、これだけ文庫ばやりの時代だが、犬を使う捕り物話には思い当たらない。
半兵衛が半次と音次郎にどう仕事を割り振るかが興味深い。若い音次郎の役割は前の鶴次郎とは異なっているのだ。
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