今村翔吾の「夜哭烏(よなきがらす)  羽州ぼろ鳶組2」。

★3.7 シリーズ2作目。

松永源吾は300石とはいえ6割の借り上げの超貧乏藩の火消頭取。今回も田沼政治を眼の仇とする一橋一派が暗躍する。

江戸の町火消は火元に近い大名火消か定火消が太鼓を打たなければ出動できない決まり。これらの子女を攫って人質にし太鼓を打てなくする挙に出た。

そして魔の手は加賀鳶とぼろ鳶にも、大音勘九郎の娘・琳と彦弥や新之助が懇意にしている長屋の娘・お七が攫われ・・。

江戸の火消しのしくみは実にややこしい、火消の小説がなかった要因か。己の論理でしか動かない奥方の深雪、まだまだいろいろありそうでこの物語のキーともなっている。