坂井希久子の「ころころ手鞠ずし―居酒屋ぜんや3」。

★3.5 シリーズ3作目。
只次郎の父親の上役である小十人頭1千石の旗本・佐々木様のからみが濃厚となった。

糞買いの又三が心中にみせて殺され、駄染め屋が捕らえられたことによる。いずれも佐々木様の指示で動いていた。

只次郎の駄染め屋探索の過程で、危険な黒狗組の賭場へ潜り込みがぜんやでの株を上げた。はじめて只次郎へのお妙の評価が描かれ、義姉のお勝も仲を煽るようになったのである。

ぼんやりとしたミステリーを軸に、只次郎のルリオやメノウら鶯飼いの生活とぜんやでの手料理の物語が続く。このテンポの遅いマツタリ感が料理話には合っているのかも。

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