岩井三四二の「天魔の所業、 もっての外なり」。

★3.3 室町8代将軍・義政の正室・富子の半生にからむ7つの短編で構成した物語。

夫・足利義政として、山名宗全の立場で、息子・足利義尚の心情として、将軍をすげ替えた変人・細川政元との連携など。

わかりにくい時代を断片的に描いているだけに、全体を俯瞰することにはならないが、作者は時代の変化の瞬間を捉えようとしたのかも。

富子が立場を利用して資金増殖の才能を発揮したことが最近の通説となっているが、その力を行使する場面も面白い。

登場人物は皆、魑魅魍魎に動かされたのか、そうでも思わないとこの時代は理解できないのかな・・。

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