中島要の「酒が仇と思えども」。

★3.5 6つの連作短編。
浅草寺門前の並木町の酒屋・七福の跡継ぎ・幹之助は、酒のせいで悩んでいる者に手を貸してやる。

嫁入り前の娘が己の酒好きを気にする話、酔った自分が何をしたか思い出せない男、酒断ちの明けを祝ってくれる友を亡くした男、酒で高座を空けたしくじりを取り返そうとする噺家、酒の勢いで息子がいたと嘘をついた居酒屋の女主、最後は幹之助自身の嫁取りの話。

いずれも酒ずきのほっこりした物語となっており、作者自身が酒好きなのかなと思わせてくれる。

話にオチが準備されていて、新作落語のような気分。続編があってもいいな。

カテゴリ:アート・文化