木下昌輝の「宇喜多の捨て嫁」。

★3.5 戦国の3悪人の1人・宇喜多直家の物語、6つの短編からなる。

備前国の領主・浦上宗景の支配下で零落した宇喜多家の跡取りとして頭角を現し、備前一国を統一するまでにのし上がる。

前半では浦上宗景のサイコ的な疑心による暗殺劇を妻や娘を犠牲にしてまで果たす。

領主の命令などで娘4人を政略婚に送り出し、そして後にはその相手を葬らざるを得なくなる。

やるかやられるか、それが戦国・下剋上の世界とはいえ、死にゆく直家の心に何が残ったのか。空しさだけしか・・。

最後に子を思う母親が登場する、しかしその思いすら直家には届かない。

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