西條奈加 の 無暁の鈴(りん)

★3.5 江戸後期(1800年頃)下野宇都宮藩の家臣の子であった久斎は、庶子であったことから上野の山間の寺に入れられ3年、13歳からの物語。

寺内の理不尽から江戸へ出て無暁と名乗るが、やくざ世界での友の仇討ちで人を殺め八丈へ流罪。

22年後に赦免されるが、出羽湯殿山で1000日行を行い、最後は57歳で即身仏を目指す。

逆境でも己の生への執着に驚くとともに、悲惨な生活の中にも救いが。そしてそれを仏の与えしものと思ったこと。

先週、高野山の奥の院を訪れたばかり、何かの縁かもしれない。己がこれまで生かされていた意味を考えてみようか。修行の意味を庶民の目