宮部みゆき の あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続

★3.5 シリーズ5作目にして第一部完結とある。何かの取材で作者は百話を完結させると意気込んでいたから、それを信用したい(でも「初ものがたり」の例もあるから・・)。

百話までのおちかの年齢、これはいらぬ心配だった。「あやかし草子」で貸本屋・瓢箪古堂の若旦那・勘一のもとへ嫁ぐことになった。

20歳の春に押掛け女房でである。この物語は完結していないのだ。井泉堂の保有する過去の瓦版の話を抜粋した冊子。その冊子を読んだ者はそこに己の最後の時期を悟ってしまうことになるのである。

おちかは読んでしまったかもしれない勘一に「見届ける覚悟です」と告げたのだ。読んだ