★3.5 使い古された墨俣一夜城のネタをまた読まされるのかと危惧したが、どうして。
清州で信長の小者頭として仕える頃から美濃攻略の起点となる墨俣築城までを描く。
針売り時代からの蜂須賀小六との絆の復活や、川筋衆をまとめ上げる過程で己の生きる道を悟っていく。
浅野又右衛門の娘・於禰との出会いや川筋衆の頭どもとの出会いなど、初対面の者には大ぼら吹きを押し通す。
そして持ち前の人たらし、藤吉郎が頭角を現す過程はかくもあろうかと思わせてくれる。「蛇衆」や「凛と咲きて」などとは異なり味のある作品。今後の活躍に期待したい若手の作家。
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