高橋義夫 の 眠る鬼 鬼悠市風信帖1

★3.5 初作。文庫化時にシリーズ名を「孤剣竹林抄」から「鬼悠市風信帖」に変えたようだ。

鬼悠市は出羽、松ケ岡藩(水巻家)の7石(7両ともある)2人扶持の徒足軽の身分ではあるが、組の統制を受けない浮き組という特殊な立場。

普段は藩主の菩提寺・長源寺の竹林に住み、藩主特命の鳥籠を作り、その評判は江戸をはじめ京、大坂にまで届いている。

だが、悠市には他には知られていない陰の仕事がある。組頭を仲介として呼び出され、奏者番の加納正右衛門から藩命として課せられるのは暗殺や護衛などの特殊な任務。

鬼家は妻を娶らず養子を迎えるのが定め、35歳の悠市と12歳の養