花冷えに三日月懸かる藍の空


 庭下駄の花冷をまづ履きにけり  山田弘子

 花冷や絹の重みを身に纏ふ  川井政子

 花冷えや心もとなく文を書く アロマ

 昨日今日花冷え明日は中国へ  宮津昭彦

 揺すりつつ茶の量らるる花の冷  甲州千草

 大鋸屑を纏ひし海老や花の冷え  延広禎一

 花冷のドガの踊り子枠出たし  荻野千枝

 花冷えの窓に桜鮮やかに  アロマ

 花冷えの快速吟行十五分  尾上有紀子

 花冷えや悲しい色の夢をみる  わたなべじゅんこ

 石段に差し懸ける花冷えの枝 アロマ

 花冷に暮れ残りたる一樹かな  朝妻力

 花冷えや孫の子守