連載:吾喰楽家の食卓

もう半分 × 二回半

昼餉にウルイのお浸しを食べたら、それを肴に燗酒を飲みたくなった。
優柔不断な私だが、こういう事は実行力がある。
早速、夕餉の献立を考えた。
思い付いたのは、黒豚の生姜焼き、牡蠣と平茸のアヒージョ、ウルイのお浸し、赤カブ漬の四品だ。

豚肉の食べ方は色々あるが、生姜焼きが一番好きだ。
生姜焼きを千切りキャベツと一緒に頬張ると、何故だか幸福感に浸れる。
アヒージョは、和の食卓に合うように、鋳物のフライパンから陶器の中鉢に盛り替えた。
ウルイは、和え物も考えたが、昼餉と同じ、お浸しにして酢味噌で食べることにした。

場違いのアヒージョが登場したのは、午前中に当