中島久枝 の それぞれの陽だまり: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(五)

★3.4 シリーズ5作目。
今回の目玉は、婚家に幼い息子を残し離縁された須美という女が牡丹堂の手伝いに。そして小萩の菓子への新たな挑戦は能の演題を織り込むこと。更には弥兵衛、お福夫婦が近所に隠居所を求めたこと。徹次と須美の関係に配慮してのことかな。今回も山野辺藩の留守居役・杉崎主税が重要な役どころ。

野暮な話だが、この種の商売ものには採算性の話が全く出てこない。居酒屋、小料理屋のなども含む物語では、原価管理の話に触れてはいけないようだ。「みをつくし料理帖」でも仕入れの価格の話は全く無く、実に不思議な物語だった。

この種の苦労話は商売には当たり前だが、