矢野隆 の 朝嵐

★3.5 源八郎為朝の生涯。平岩弓枝の「私家本 椿説弓張月」とは異なり、こちらは伝説通りの乱暴者。

幼い頃から京の賊の首領となり、父の為義から薩摩の追われた。九州では大宰府に反抗する勢力となり、京に帰れば訳もなく〈保元の乱〉に父とともに参加し義朝・清盛に敵対するが敗戦。伊豆大島に流されると、伊豆七島の罪人の頭に納まり、都に敵対する。最後は大島で琉球渡航説はとらない。

「蛇衆」や「凜と」のような劇画タッチの描写はそれだけで面白い。強弓の威力というのを目にしてみたい。惜しむらくは為朝に大義らしきものがあったればと。

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