連載:運動

「『コロナ疲れ』の解消に」

「通りまで走るよ」

思い掛けなく先頭が言った。

それまで歩いていた。散歩とは違う速さだが、今までの歩きよりはゆっくりだった。

「今日はゆっくりなんですか?」
「そうでもないよ。」

「この前は付いて行けなかったんです。」

私は2周目に先頭に言った。それを聞いた先頭が判断したのだろう。

久しぶりに走るとキツい。

「歩いてちゃだめだって⚪⚪さんに言われてさあ。」

後ろのコーチが言う。コーチは時々走っている。音でわかる。

「全然違いますよね。」
「両足が宙に浮くからね。」

通りに出ると、また歩いた。次の周で走りに追いつけなくなった。

「追い