連載:倭人伝の真実に迫る

26. 倭人伝の短里証明

倭人伝の里程は短里ですべて解決し、「会稽東治」から倭人伝の短里問題が解決する。「短里の存在」そのものは谷本茂氏によって立証されており、三国志本伝や西晋の史書『呉録』にも短里が現れている。問題は「短里」という記述が倭人伝になく、それを盾にとって「倭人伝の短里は容認できない」という論者がいることである。ところが陳寿は、「会稽東治」で倭人伝の「里」は短里であることを暗示していた。その視点で再度整理しておく。

26.1 会稽東治
女王国は「会稽東治の東」と陳寿は示した。西晋の読者は女王国の場所がわからなくても、この場所はわかる。
●夏后少康の子、会稽に封ぜられ