連載:宗教3

森田先生の指摘した気分主義のウソ (自分のためのメモ)

かつて神経症の治療にあたっておられた森田正馬先生は、患者さんの生活態度をみて指摘されておられる。気分主義はダメだ、事実こそ真実なのだと。

気分というか感情はつねにコロコロと変化する。そんなものに生きる指針のようなものを据えては、ノイローゼになってしまうのだという指摘である。

森田先生のところに、作家の倉田百三という方が入院された。倉田氏は、出家とその弟子(親鸞と弟子)などの小説で有名で、念仏生活を送ることでこの世の浄土を観照して悦に入っている生活を送っていた。

あるとき夕暮れ時の景色を眺めていて、あれほど夕日に沈む風景に感動があったのに、その日は何