連載:俳句帳

10月の俳句帳(90)令和二年10月30日

1)ししおどし(鹿威し)しじま(静寂)を破る庭山水 
(京都詩仙堂の鹿威しを詠む)

2)澄み渡る添水(そうず)唐臼(からうす)古刹(こさつ)庭

3)窓八つ灯る茶室に秋灯り (京都曼殊院書院附茶室八窓軒を詠む)

4)陰と陽秋日差し込む茶室翳(かげ)

5)余韻聴く三井の晩鐘秋の空 (大津市の北西にある三井寺(園城寺)の鐘を詠む)

6)水甕(みずがめ)を鳴らす秋雨寂寞(せきばく)と

7)燃え尽くす朱き蠟芯(ろうしん)秋御堂(みどう)

8)仲秋の弄月(ろうげつ)座して酌み交わす

9)暮六つすこし早目の月見酒

10)只管打坐(しかんたざ)無我に成