1)ししおどし(鹿威し)しじま(静寂)を破る庭山水
(京都詩仙堂の鹿威しを詠む)
2)澄み渡る添水(そうず)唐臼(からうす)古刹(こさつ)庭
3)窓八つ灯る茶室に秋灯り (京都曼殊院書院附茶室八窓軒を詠む)
4)陰と陽秋日差し込む茶室翳(かげ)
5)余韻聴く三井の晩鐘秋の空 (大津市の北西にある三井寺(園城寺)の鐘を詠む)
6)水甕(みずがめ)を鳴らす秋雨寂寞(せきばく)と
7)燃え尽くす朱き蠟芯(ろうしん)秋御堂(みどう)
8)仲秋の弄月(ろうげつ)座して酌み交わす
9)暮六つすこし早目の月見酒
10)只管打坐(しかんたざ)無我に成
連載:俳句帳