伊東潤 の もっこすの城

★3.4 加藤清正が隈本に入府する時から隈本城が完成するまでを、築城家・木村藤九郎の活躍で描く。

父は尾張出身で安土城を手掛けた築城家・木村次郎左衛門忠範だが、信長が本能寺で討たれると安土城を守り命を落とした。藤九郎は加藤家に志願し、熊本の田原山陣整備や河川改修で名を上げた。

更には名護屋城に携わり、朝鮮での西生浦倭城、蔚山城の構築、最後は隈本城を一から築き上げた。後に西南の役で田原坂が何故に要害の地となったのか、朝鮮の地で石垣を主体とした城を築くことの描写などが当時の戦の模様を生々しく伝えてくれる。

隈本城の扇の石垣、新しい算木積みの試み、坪井川