辻堂魁 の 残照の剣 風の市兵衛 弐

★3.3 第弐部7作目。「義民が駆ける」の前哨戦ともいえる川越藩の国替え運動にからむ物語。

新両替町の両替商・近江屋から宰領屋の矢藤太へ川越の話が持ち込まれた。閉門中の藩士・村山永正と娘の早菜を守り江戸へ招くこと。国替え運動に浪費する藩政を批判したことが藩主の不興をかったよう。

松平大和守家は15万石の御家門、姫路から実録の低い川越に移ったことが不幸。家斉の第24男・紀五郎を養子に迎え国替えを有利に運ぼうとの噂があった。

作者は理由はどうであれ家を潰してしまった武士の矜持を描きたかったのか。残念ながら物語の顛末が読めてしまう事、一介の浪人が藩内の事