奥山景布子 の 小説 真景累ヶ淵

★3.3 円朝が最初に創作したとされる咄を小説化したもの。
旗本の深見新左衛門が高利貸しの皆川宗悦を斬り殺してしまったことに始まる。宗悦の娘・お志賀が新左衛門の息子・新吉に抱く怨念「関わる女は7代までも憑り殺す」が・・。登場する女はお岩のような顔となり、男も顔を背けるのだが・・。次々と登場する人物の不思議な血のつながりも背景にあって。これだけおぞましい話が続くのだが、小説としての話はなぜか淡々とすすむ感じで怖さはさほど迫って来ない。だが、これが語りとなった時の恐怖は想像できる。

解説によれば、怪談咄として累(かさね)という女性が鬼怒川で夫に殺されその怨