城山三郎 の 秀吉と武吉 ― 目を上げれば海

★3.3 能島水軍の村上武吉の物語。
物語は厳島合戦への参加から始まる。元就が勝利を納めても瀬戸内の覇者になることは認めない。瀬戸内の海が池とされてしまうからだ。かつて陶晴賢が帆別銭(ほべちせん)の廃止を申し入れてきたように。海賊衆が陸に領地を与えられても、牙を失った猪はもはや豚でしかなく、後は料理人の勝手次第となる。

信長は陸での関所を次々と廃止しているという。海の関所も当然廃止を迫ってくるだろう。第一次木津川戦に勝利するも、第二次では信長の鉄甲船に完敗。

信長の後を継ぎ強大となっていく秀吉に抗う武吉。能島崩れから竹原へ、筑前名島から蓑島、更には大