★3.5 美濃の臨済僧・沢彦宗恩は那古屋城の家老・平手政秀の依頼で吉法師の師となることを引き受けた。吉法師は神童とみなす者もいるが、癇癖で気に入らないと手が付けられないほどに荒れる。これを何とかしようと沢彦に託した。
一の子分の5歳の勝三郎(後の池田恒興)が面白い。沢彦を塚原卜伝の弟子としたり、信長の母は美濃国の豪族小嶋日向守信房の娘とする説は興味深い。剣術好きの娘・翡翠や、織田の間者集団を登場させたりして読者を楽しませてくれる。
この巻は吉法師7歳から11歳まで。信秀の美濃進攻が美濃、朝倉連合軍によって撃退されるまでを。
時代を臨済僧の視点で切り