遠景に紅濃き彼岸桜かな



 生憎や降り込められし花の宴  鎌倉喜久恵

 外つ国の花人増ゆる京の寺  竹内悦子

 かんばせをすつとすぎたる花の影  吉弘恭子

 湖の飛花ティンカーベルを肩に乗せ  関根誠子

 嫋やかな桜吹雪の中を行く  アロマ

 花吹雪地をももいろにころがして  竹内悦子

 残暑中台風地震矢継ぎばや  牧原佳代子

 蝉の穴まづ歪みては地震来たる  坊城俊樹

 桜餅地震くぐりきし手塩皿  浜口高子

 みちのくの地震の号外梅雨寒し  和田崎増美

 風鈴を吊る朝の地震きつかけに  田村園子

 久方にあの日ゆらゆら揺れ出して