花吹雪ピアニッシモに打ち震へ 泉田秋硯 仰ぎても振り返りても花吹雪 木内美保子 花吹雪その中歩む女の子 アロマ うっぷんを舞い上げ空は花吹雪 鈴木国子 日を浴びて風のかたちの花吹雪 尾辻のり子 ひとたびは空へ渦なし花吹雪 安達風越 国宝の塔傾けて花吹雪 中村龍徳 噴水の遠くかがやき花吹雪 今瀬剛一 醍醐寺の参道に…
何処へ行かう落花名残の風あをみ 林翔 和紙 何処かで小競り合い風に吾亦紅 大西 節 袷着て隣の女房何処へやら 小林李坪 何処からが晩年甘納豆と冬日 鈴木鷹夫 春の門 何処へと聞かれ暫し考える人 アロマ 何処からか出て来て並ぶ小鴨かな 成田蒼虬 何処そこのせんさく無用遠柳 桜井梅室 何処にか秋の声ありふりかへる 高浜年尾 空灼くる何処かに蝉の天…
夢のはじめも夢のをはりも花吹雪 渡辺恭子 夢覚めて夢のつづきの花吹雪 橋本榮治 越在 今昔のいろ淡墨に花吹雪 伊藤敬子 地に憂ひあれば空ゆく花吹雪 桂信子 束の間の風よりかろき花吹雪 仁科文男 海はすぐ冷ゆる日暮の花吹雪 中拓夫 花吹雪古都の情緒に浸りつつ アロマ 目を開けて居られぬほどに花吹雪 品川鈴子 花吹雪一楽章の通り過ぎ 三好潤子 …
生憎や降り込められし花の宴 鎌倉喜久恵 外つ国の花人増ゆる京の寺 竹内悦子 かんばせをすつとすぎたる花の影 吉弘恭子 湖の飛花ティンカーベルを肩に乗せ 関根誠子 嫋やかな桜吹雪の中を行く アロマ 花吹雪地をももいろにころがして 竹内悦子 残暑中台風地震矢継ぎばや 牧原佳代子 蝉の穴まづ歪みては地震来たる 坊城俊樹 桜餅地震くぐり…
桜前線父母を経て来りけり 正木ゆう子 坊泊りして桜前線待ち伏せす 東野礼子 旅先に出会う桜満開の日 アロマ 病棟をさくら前線抜けにけり 羽成 翔 夜想曲さくら前線まだ遠し 鍵和田釉子 未来図 桜前線雨の間に通過せり 右城暮石 散歩圏 我が家を桜前線いつ過ぎし 右城暮石 一芸 舟磨くやうに琴拭くさくらの夜 高橋さえ子 浴びるとは桜三里の花行脚 …
びつしりのスケジュール表花吹雪 影島智子 まなうらに夜もやまざる花吹雪 関口ふさの 三人子に八人の孫花吹雪 猿橋統流子 地続きに寺と学園花吹雪く 加藤耕子 坂町の片側塀や花吹雪 西山泊雲 泊雲句集 花吹雪路上を流れ春行かん アロマ 道に敷く花吹雪とはなりにけり 阿波野青畝 遠くには別の風あり花吹雪 水野あき子 音たてて絵馬の打ち合ふ花吹雪 …
「アロマ」の句 琴の音の長閑に響く料理屋で 雨催い鶯鳴いて幼声 清流に鯉の泳いで津和野かな 春の旅屋上露天の桜かな 花吹雪路上を流れ城下町 角館枝垂桜が咲き残り 数尾の旬の飯蛸茹でて美味 春雨に仄か紅の傘差して 朧夜の桜の花に佇んで 「夏目漱石」の句 汽車去つて稲の波うつ畑かな 大藪や数を尽して蜻蛉とぶ はらはらとせう事なし…
あこがれのたましひ宿れ山桜 佐藤鬼房 かたつむりたましひ星にもらひけり 成瀬櫻桃子 かなかなの木はたましいの集まる木 秋場久雄 こなごなにたましひありて山椒の芽 齋藤玄 『無畔』 しもやけのたましい梅のくるい咲き 穴井太 ゆうひ領 たとふればたましひのいろ秋の蝶 加藤耕子 魂の優しい形撓ませて アロマ 一枚の絵に魂の揺らめいて アロマ 落葉ふりつ…