夏山かほる の 源氏五十五帖

★3.2 源氏物語に幻の55帖が存在すると調査を命じられた菅原孝標の娘・更級(更級日記の作者)は紫式部の娘・賢子と信濃に向う。

途中で道長の息子・能信も合流するが、信濃にはあの清少納言がいた。本当に存在するのか、何故世に出なかったのか。その内容は・・。物語はミステリー調に進む。

途中で、道長に都合の悪い内容だという憶測や、定子の娘・一品宮の一条帝の遺言だとする思い込みが物語に交錯する。

残念ながら、物語の展開が場当たり的で、作者の都合で進んでしまう。道長が探せと命じた動機もうやむや。むしろ道長の命令を絡めずに、55帖の意図を読み解く物語とした方がす