読売俳壇 4月13日
俳句 淵脇 護 選
国鳥の雉美男二羽背戸に来て 鹿屋 川上 和子
(評)季語は「雉」で春。1947年日本鳥学会が国鳥に選定。「美男二羽」とは誠に優れた雌雄の比喩。オスは広辞苑にも「顔が裸出し赤い。背面の色彩は甚だ複雑美麗」と記すほど美しい。「背戸」は家の裏手。のどかな日本の田園地帯への賛歌。
かたはらに妻ゐて妻の高菜飯 霧島 秋野 三歩
人絶えし山里に降る杉の花 薩摩川内 石堂 絹子
手土産は罪ほろぼしか桜餅 霧島 内村としお
霾天(ばいてん)の予報通りに攻めて来る 霧島尾上春風
花茣蓙の前を