忘れ霜朝の漬物辛し和え



 意に背く風窺へり茗荷竹  保坂加津夫

 ねんごろに落葉を除く茗荷竹  阿部ひろし

 今が旬酢味噌で食べる茗荷竹 アロマ

 庭の隅待つこともなき茗荷竹  阿部ひろし

 朝餉には爽やか風味茗荷竹  アロマ

 茗荷竹日に日にほどけ庭の隅  島純子

 庭畑に走りと見ゆる茗荷竹  君島栄子

 時無しの木瓜に紅刷く忘れ霜  岩崎きゑ子

 美しき老いとはあるや忘れ霜  能村登四郎

 姨捨の棚田棚田の忘れ霜  中島知恵子

 忘れ霜仄かな白さ砂糖菓子  アロマ

 茶畑の朝けむれる忘れ霜  秋田庫

 よく見れば草にも地にも忘