連載:俳句帳

4月の俳句帳(96)令和三年4月30日

1)清明の光り溢るる千枚田

2)清明に川の明かりや野の眩(まぶ)し

3)壮大な一目(ひとめ)千本花吉野

4)花溜まり川面浮かべて染井散る

5)ぱたぱたと猫の身震い花の冷へ

6)目に映る棚田の縁(へり)に躑躅(つつじ)垣

7)雨後の宵ぼんやり点る花躑躅

8)砂糖晒(さら)し丹精(たんせい)の菓子風光る

9)天守より黄金(きん)鯱降ろし風薫る

10)茶室着き蝶舞ふ庭の躙(にじり)口

11)蓬餅(よもぎもち)鄙(ひな)の香載せし宅配便

12)蕨(わらび)餅飛び交う訛り峠茶屋

13)草餅や捏(こ)ねるかいなの里嫗(おうな)

14)コロナ