あさのあつこ の 「花下に舞う」 弥勒シリーズ10

★3.5 相生町の口入屋の夫婦が何者かに惨殺された。2人は何かにひどく驚いた顔で死んでいる。口入屋は裏で阿漕な金貸しをやっており、それが恨みを買ったのか。遠野屋の手代・弥吉が事件に巻き込まれ、清之助も関わることになる。

今回は信次郎が母・瑞穂を思い出すことが、キーとなる。伊佐治親分が現場の舞扇から「亡くなられた母上の瑞穂さまは舞の名手だったそうでやすね」と語り、信次郎が命日に墓参に出かけたことが、口入屋夫婦の惨殺事件解決につながる。住持から20年前の120両窃盗事件のことを聞く。信次郎がこだわったのは、扇の箱と開いたままの裏口の閂。最後に行き着いたのも