藤井邦夫 の 隠れ蓑 新・秋山久蔵御用控(十)

★3.3 新シリーズ10作目。「瓜二つ」はしゃぼん玉売りの由松が敵と間違われて始まる話。「隠れ蓑」は昌平橋で2人の若い武士が3人の浪人に襲われる話。これら2つの話は偶然に頼る展開で、この作者には似合わない。まだそんな年でもないはず。

「卑怯者」はキーになるのが、同心・神崎和馬の御新造・百合江である。秋山家の嫡男・大助や奉公人の太市も活躍。この2人のコンビは将来を予想させ楽しい。

「逃れ者」は久しぶりに弥平次親分が登場する。昔の男を見かけたことで、事件を未然に防ごうと奔走する話。「笹船」の面々や、久蔵、和馬の2人も一目置いての言動となるのは昔の杵柄。

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