近所に、ある家が代々管理を受け継いでいるお地蔵さまがある
道路沿いにその家に隣接して、そのお地蔵さまを祀った、小さな瓦屋根がある家屋のようなものがある
木の格子の開き戸が入り口であり、中を覗き込むことができる窓でもある
格子の開き戸の前に、仏花、線香、お茶を備える置き場所がある
日々、そこへの供え物は、その家人が執り行なっている
その格子からはあまり、地蔵さまの姿は見えない
だが、町内の人々は、その道を通る際には、立ち止まり、お地蔵さまに面して手を合わせる
地蔵盆になれば、格子の開き戸が開かれる
中に入り、お地蔵さまを間近に手を合わすこと
連載:妄想爺やの春夏秋冬3