川越宗一 の 海神の子

★3.3 白石一郎の「怒涛のごとく」から23年、鄭成功の生涯を描く。
福松は平戸島の川内浦を拠点とする海賊に身を置く娘・松を母に、明の海賊・鄭一族の若者・鄭芝龍を父に持つ。

路線の違いから飛黄を討った松は、福松を平戸の知人に預け、鄭一族の中で媽祖の化身として頭角を現す。媽祖とは明人が信仰する船乗りの女神のこと。

9つになった福松を引き取った松は鄭芝龍を名乗り、海賊の頭になっていた。福建の安平城で育った福松は後に腹心となる甘輝と施郎の友となる。海賊集団に手を焼く民国は鄭芝龍を大将軍に任じこれを取り締まらせた。松は表向き蛟という男を鄭芝龍として立て、己が