通学路落ち葉を踏んでふかふかと



 新巻の片身はルイベにて届く  深川知子

 とりあへず箱に戻しぬ新巻鮭  鈴木多枝子

 新巻をおろす新聞厚く敷き  岡本敬子

 塩鮭は大辛口を好みとす  伊藤白潮

 踏台で吊す新巻奉書巻き  鶴岡紀代

 湯豆腐や家族のぬくみしみじみと  城戸ひろみ

 我が里に続く道あり冬もみぢ  北原瑞枝

 ミルクのごと冬の朝日が体内へ  田中空音

 ポスターの少女はにかむ冬の朝  坊城俊樹

 ガス点火まず湯を沸かす冬の朝  辻由紀

 踏切の音冷えびえと冬の朝  中澤弘

 冬の朝厨で真っ先に湯を沸かす  アロマ

 この晴