辻堂 魁 の 斬雪 風の市兵衛 弐

★3.3 第弐部10作目。
文政8年末、市兵衛41歳のまま。前作の越後津坂藩のお家騒動の続き。藩主の鴇江(ときえ)伯耆守は国許で、戸田浅右衛門が江戸家老に任じられ出府してきた。

その戸田が市兵衛に旧友の田津民部の探索を依頼してきた。江戸屋敷の勘定方であった田津は5月、150両を着服し欠け落ちしたとされていた。市兵衛は数少ない情報から田津の足取りを追う。

一方、北町の鬼渋は海から逆流した遺体と、質入れされた唐桟の財布から、田坂藩蔵屋敷での斬殺事件をつかむ。今回は、珍しく探索仕事だが、勘定方の回米に絡む不正も。

物語は一直線に真相へ向かいあっけない。も