読売俳壇 2月1日
渕脇 護 選
閉校の学び舎残り鶴帰る 霧島 尾上 春風
(評)「鶴帰る」が季語で春。この時期になると、鶴の北帰行が本格化する。出水平野で越冬する一万羽を超す鶴は、俳人垂涎の的。作者はこの地で学んだが、母校は閉校の憂き目。少子化と母校懐旧の思いが重なった抒情俳句。
餅花や無人駅舎の小夜灯(さよあ)かり
霧島 秋野 三歩
立春の空へ放ちしファンファーレ 薩摩川内 石堂 絹子
しとどなる野辺の仏陀や春時雨 霧島 内村としお
春日差すアインシュタイン長き舌 霧島 神崎 義文
冬