連載:薩摩よみうり俳句

2月15日(火)

2月15日 さつま読売文芸
 さつま読売文芸 俳句    渕脇 護 選 
  
一センチに躓く脚よ枇杷の花     霧島 久永のり尾
(評)季語は「枇杷の花」で冬。「立てばよろよろ、座れば立てず、歩く姿はペンギンさん」などと揶揄され、気はつけていても一センチの段差に躓いてひやり。分かりやすい言葉で老境の悲哀を言い得ている。

独り言土に返して畦を塗る      霧島 秋野 三歩
見るからにやつれ顔なる通ひ猫    霧島 内村としお
山墓は風音ばかり楤芽を摘む   薩摩川内 石堂 絹子
       (たら)
思うほどできぬけん玉日脚伸ぶ    霧島 尾上