藤井邦夫 の 埋蔵金-新・知らぬが半兵衛手控帖(15)

★3.3 新シリーズ15作目。
表紙は「埋蔵金」の鳥越明神の前で野菜を売っている老百姓の前に犬が小判を咥えて境内から出てきた場面。横田美砂緒はいろんな文庫の絵を手がけているようだが、このシリーズが一番味がある。

今回は珍しく、廻り髪結の房吉が持ち込んだ話が2つ。「埋蔵金」はその房吉が騒動の様子を面白く話す。だが、「質流れ」は明らかに意図を持って伝えた。質屋の主の妾が消えて、人を雇って探していると。最後に明かされるのは、房吉の出入りする瀬戸物問屋の御隠居がこの妾の身上に同情したこと。半兵衛はこの御隠居の名を出さずに解決する。

「邪魔者」は大久保忠左衛門