連載:恋文仮想空間

恋文仮想空間  恋(1)


          恋人よ

   凍てつく月の夜に二人して歩きましたね
       帰りたくないという私
       返したくないという貴方
     貴方の左手が私の肩を強く抱いて
 私の右半身は貴方の温もりを感じていました
    貴方の熱い言葉に酔いしれながら
 時間よ止まれと心の中でつぶやいていたのです

 一瞬の愛の煌きは今も心の奥深く燃えています
  白い薔薇が咲き誇る今貴方の熱情を想い
 薔薇の露ほどの愛を貴方に乞うている私です
    貴方に逢う事の罪を想いながら
      この命誰のものかはと
       薔薇の花を摘んで