軽井沢五月に余花のちらほらと



 かぢめてふ荒布根こそぎ冬の浜  小河原清江

 行く春の隠岐の荒布ぞ煮て甘き  永田二三子

 かじめ干し刻んで粘り出す  アロマ

 天辺にちぢむ太陽荒布干す  小田司

 大潮の昼の荒布を拾ひ来る  天野美登里

 暮れてなほ響く音あり荒布切  三村禮子

 荒布干す磯や小船の島めぐり  竹内涼子

 大釜の荒布いよいよ煮えたぎる  遠藤真砂明

 大潮の月に干さるる荒布かな  藤田あけ烏

 荒布切る音に暮れゆく小さき島  西山美枝子

 色でいふなら真珠色春の夢  中島秀夫

 醒めるまで幸せでした春の夢  日置游魚