「行ってらっしゃい」
大きな声だ。
「行ってらっしゃ〜い。気を付けてね」
更に大きい。ドアの閉まる音がする。
直ぐにパパの声も聞こえた。
「パパァ!〜」
何か我儘を言っている。まだ朝の6時過ぎ。
4歳のお兄ちゃんは娘が起きてから暫くは静かに寝ていたが、やはり目を覚ました。黙って下に降りていく。私も続いた。娘は弟の方についていて欲しいと言うのでそうした。
私は隣で眠る弟の顔を見る。アクビをした。赤ちゃんらしい口の動き。上半身起こした。私を見る。ゴロンと近付き、私に顔を付けてまた寝た。
こんな時間はあっという間に過ぎてしまう。
弟が起きた。暫くは私