(チェーホフ+ハルキ)÷2=約束された名作「ドライブ・マイ・カー」

 元々村上春樹の原作は、作中にチェーホフの代表作「ワーニャ伯父さん」を絶妙のタイミングで挿入したもので、上手く映像化すれば成功は約束されたものとなることは想像でき、事実作品は、アカデミー国際長編映画賞をはじめとした多くの国際映画祭で色々な賞をとることと事となった。

 結局の処、この小説は、「最愛」の妻を失った役者で演出家の主人公とそのドライバーをつとめるヒロインが、「ワーニャ伯父さん」の有名な結末の台詞・・・

 ソーニャ「仕方ないわ。生きていかなくちゃ…。長い長い昼と夜をどこまでも生きていきましょう。そしていつかその時が来たら、おとなしく死んでい