今村翔吾 の 蹴れ、彦五郎

★3.3 戦国ものを主とした8つの短編集。
「蹴れ、彦五郎」は今川氏真と室で北条氏康の娘・由稀を、「黄金」は岐阜城主の織田秀信を、「三人目の人形師」は幕末の生人形師の松本喜三郎と安本亀八を、「瞬きの城」は太田道灌を、「青鬼の涙」は元老中で鯖江藩七代藩主の間部詮勝を、「山茶花の人」は上杉家の由良勝三郎と新発田重家を、「晴れのち月」は武田信玄の長男義信と今川の娘・月音を、「狐の城」は北条氏康の五男氏規を。いずれもあまり日の当たらない人物を取り上げている。

伊東潤の「虚けの舞」で織田信雄と北条氏規は読んだが、幕末に生人形の興行があったというのは興味深い