松本清張没後30年 「火の路 上下」

★3.5 澤田瞳子の「恋ふらむ鳥は」の最初に登場するのが斉明女帝で、百済救済のために兵を送ることを決定する。そして築造した池の中の島に鸚鵡を飼っていた。「火の路」は現代ものだが、その斉明女帝に絡む物語のようで、かつて読んだことのある「眩人(げんじん)」とも関係ありそうである。

「上巻」
T大の文学部史学科日本史専修の助手である高須通子(みちこ)は奈良飛鳥の酒船石の調査に出かけ、そこで東京の雑誌社の副編集長の福原庄三とフリーのカメラマン坂根要助に出会った。

酒船石、益田岩船、石造須弥山、道祖神像、亀石、二面石、複数の猿石などの巨石が放置された