梶よう子 の 空を駆ける

★3.5 「小公子」を最初に翻訳した若松賤子(わかまつしずこ;ペンネーム)の生涯。

幕末に会津藩士の娘として生まれたカシは、会津敗戦後に養女に出され、10歳の時に横浜のフェリス女学院に給費生として引き取られる。アメリカ人に育てられたことで、英語力を完全に自分のものとし、英語の本を原文で読んでいた。

結核を罹患するも、明治女学校を開いた巌本善治と結婚し3児を儲けたが、31歳で没する。フェリス女学院を18歳で卒業してからは、女性の地位向上運動に尽力する。英語力を生かし、キリスト教系の雑誌への投稿を契機に、英語出版物の翻訳をも手がけることになる。